モテ期を過ぎた後は寂しいけれど…

誠は 階段を降りて 

地下の 鳥料理店に 入る。


照明を 落とした おしゃれなインテリア。

静かに流れる ジャスが 大人の雰囲気で。


「適当に オーダーしていい?」

「うん。誠の おすすめで。」

あまり お酒が強くない私に

誠は 甘口のスパークリングワインを 注文してくれた。


「誠 すっかり 都会の人だね。スマートで。」

「はぁ?まさか。渚のために 昨夜 予習してきたの。」

誠は 気持ち良い笑顔を 見せる。


「憧れの渚と 食事できるんだよ?張り切っちゃうでしょう。」

「はぁ?まさか。私なんか 全然 憧れじゃないよ。」

「いいの。俺は 憧れなんだから。」

私達は ワインのグラスを 小さく合わせる。


少しずつ 料理が運ばれてきて。

私達も 少しずつ リラックスしてきて。


時々 誠の顔が 中学生の頃と重なって。

私 ワインに 酔ったのかな…






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