モテ期を過ぎた後は寂しいけれど…

「私の実家にも クラス会の葉書 来てたよ。」

金曜の夜 綾乃と 久しぶりに会って。

綾乃の言葉に 私は頷く。


「でしょう。今更 クラス会って。」

「吉川が 今年で 定年なんだって。送る意味で クラス会 するらしいよ。お母さんが 言ってた。」

「綾乃のお母さん 何で そんな事 知ってるの?」

「うちのお母さん 三井のお母さんと 同じ所で 働いているの。中学の話し 色々 聞いてきて 私より 詳しいよ。」

綾乃は 笑いながら 言ったけど。


「へえ。三井なんて 懐かしいなぁ。」

同級生の名前に 私は 反応する。

「うん。三井も まだ独身だって。渚 告白しなよ。」

「はぁ?15年前 好きでしたって?」

2人は ゲラゲラ 笑う。


確かに 私は 中学時代 

三井のことが 好きだった。


中学3年で 身長は 

すでに 170センチを越えていて。

バスケ部の エースだった三井は

女子に 人気があった。


「三井って 今 何やってるの?」

「渚 やっぱり 気になる?」

「そりゃ 気になるでしょ?初恋の人だもん。」

自虐的に 笑いながら 私は言う。

「地元で就職して 実家にいるらしいよ。」

「へえ。案外 地味に暮らしているんだ。」


中学時代は 目立っていたのに。

私は 不意に スクールカーストという言葉を 

思い浮かべていた。






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