モテ期を過ぎた後は寂しいけれど…

「俺 D組の奴らに 恨まれるだろうな…」

誠は 裸の胸に 私を抱いて言う。


8年も 恋人が いなかった私は

かなり 緊張していたけれど。


誠の 丁寧な指先に 翻弄されて。

恋に ブランクなんて 関係ないことを 知った。


結ばれた後は 切なくなるほど 甘くて。


抱き締められるまま 誠に寄り添って。

荒い呼吸が 整うまで 静かに 見つめ合う。


「どうして?」

私の髪に 触れている 誠を

そっと見上げて 私は 聞く。


「みんな 渚のこと 好きだったから。」

「まさか!そんなこと ないよ。」

「渚を 好きにならない理由なんて なかったから。」

「んっ?」

「渚 可愛くて。一生懸命で。明るくて。すごく 思いやりがあって。でも時々 抜けてて。最高に キラキラしてたから。」

「誠 褒め過ぎ。なんか 下心あるんじゃない?」

私は 笑いながら 誠を睨む。


「もう 下心だらけだけど…でも 本当だよ?」

「ありがとう。嬉しいよ。」


私は 少し照れながら 誠にキスをした。







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