モテ期を過ぎた後は寂しいけれど…

「中学の頃 綾乃派と渚派が あったの。知ってる?」

急に 誠に聞かれて 私と綾乃は 首を振る。

「何?それ…」

「うん。全然 知らないよね?」


「綾乃と渚って 似てるようで 性格違うから。どっちが 好きかって。」

「やだ。私達 遊びのネタにされてたの?」

「遊びじゃないって。みんな 結構 真剣に 好きだったと思うよ?」

「当然 誠は 渚派だったわけだ。」

綾乃に言われて 誠は 笑顔で頷く。


「ちなみに 綾乃派って 誰がいたの?」

私は 照れ隠しに 誠に 聞く。

「伊藤とか 西野とか。綾乃派も 多かったよ。ちょうど 2分してたんじゃないかな。」


「綾乃。惜しいことしたね。」

「うん。選び放題だったのか。」

私達は 3人で 笑い合う。


「綾乃も渚も それくらい みんなの憧れで。プレッシャーも 大きかったんじゃない?」

笑い合ったあとで 誠は 静かに言う。


私は 切なくなって 何も言えずに 綾乃を見る。

綾乃は 驚いた顔で 小さく 頷いていた。







< 69 / 78 >

この作品をシェア

pagetop