モテ期を過ぎた後は寂しいけれど…
「渚と綾乃って いつも みんなのこと 平等に 気を配ってくれて。誰にでも 明るく話しかけて。みんな 渚達と話すのが 大好きで。休み時間になると 渚達の近くに 人が 集まっていたじゃない。」
「そうだったかな…」
綾乃が 懐かしそうな目をして 言った。
「今 思うとさ。ちょうど 保育園児が 大好きな保母さんの 近くに 集まるみたいな感じだったよね?」
「保母さんって。私達 みんなと 同じ年なんですけど…」
小さく 反論する私に 誠が 笑顔を向けた。
「そうだよね。渚も綾乃も みんなより 我慢強かった だけなんだよ。それが 大人っぽく見えたんだね。でもさ。我慢し過ぎると 体に毒だから。もう いいんじゃない?」
誠の言葉に 胸が熱くなって 私は また綾乃を見る。
綾乃は 潤んだ目で
「誠。渚のこと 大事にしてよ。」
なんて言うから…
私の方が先に 涙を 溢れさせてしまった。