モテ期を過ぎた後は寂しいけれど…

「えーっ。でもバイトって 無責任じゃないですかぁ?突然 休むし。早番の時に 朝 休むって言われたら 開店事故ですよぉ?」

「そういうときは 店長がフォローするんでしょう。どこの店舗でも そうしているわ。」

「そんなぁ。私 フォローなんて できないですぅ。」

「早瀬さんが そうやって バイトは嫌だって言うから。無理して 社員を入れているのよ。スタッフの 選り好みとか わがままばかり 言うなら 店長を降りてもらうから。」

私が 強い口調で言うと 早瀬は 顔を赤くして 俯いた。


早瀬みたいなタイプは 好きじゃない。


男性と女性で 態度を変える。

上司と部下で 態度を変える。

自分が 楽をするために 部下に 無理を言う。

無責任なくせに 権利ばかり 主張する。


可愛い声で 甘えた話し方をすれば

私を 動かすことが できると思ったのか。


『私も ナメられたもんだわ…』


「すみませんでした。」

厳しいことを 言った私に 早瀬は 低い声で 謝罪した。


「まずは 売上げを 伸ばすことね。成果を出してから 色々 主張してちょうだい。」

私は 表情を 緩めることなく 

店舗に 出て行った。







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