茜くんが、甘すぎて。〖短編〗
私は、ただいつも通りに、冷え症で冷たい手を体温が高い茜くんにぎゅってしてあっためてもらいに来ただけなのに。
「茜くん、私もうあったまりました!」
「そうかな?冬ちゃん、まだ腕とか冷たいじゃん」
私がそう言ったって、茜くんはその腕の中から離してはくれない。
意地悪だ。意地悪なモードなんだ。
「もう!茜くん、本当に大丈夫ですって!」
「俺はまだ、可愛い冬ちゃんを腕の中に閉じ込め...腕の中であっためてたいけど」
「茜くん、からかわないでください!」
茜くんったらすぐに、歯の浮くようなセリフを言うんだから!
冗談でもそんなこと言われたら、恥ずかしくなってしまう。