あわよくば泡になりたい
小学校六年生の冬のある日、今までどんなに話し掛けても無反応だった紀香が少し、反応を示したのだ。

そこからまた以前の様に喋れるようになった。

少しすると中学になる、というところで紀香と絵里香が中学受験すると言い出した。

私は二人が大好きだった、だから着いていった。

――私も紀香と絵里香と一緒の学校を受験したのだ――

正直受験勉強なんてしていなかったし、その学校がミッションスクールだなんて知りもしなかった。

受験は学力テストと作文、面接だった。

受かればいーや、ぐらいに思っていたのだが、何と私は結構な倍率をくぐり抜けてしまったのだ。

郵便で結果が返ってこれば、合格の二文字。

嬉しさ半分、驚き半分、私は何とも言えない気持ちになった。
< 6 / 8 >

この作品をシェア

pagetop