破 恋
一章··今··


彼の携帯が何度も振動する

切れては····なり····

  ···また···

切れては····なり

     を·····繰り返す。



「行ったら。
私は、大丈夫だから。」

「いや、行かない。」
と、言う彼。

すると、また、鳴る

その音さえ
   いら立つ

「行って!!」

「····わかった。直ぐに戻るから。」
と、言いながら
私の手を握りしめてから
玄関に向かう····彼を

ソファーに座ったまま見送る


数秒して·····

« ガチャン »
と、玄関のドアが閉まる
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