破 恋
四章··その後
千里◾◾
電話の音に怯える····莉子に
俺はなにもしてやることが
できない。
何度も母さんと話しもした。
だが、間違ったことが嫌いな人で。
自分が感じたものを大切にする人
俺が桜田と間違いを起こしたのだから
の一点張り。
だから·····
莉子とも上手くいかない
莉子に辛い思いをさせるだけ
だと言う。
それに桜田に責任を取るのが
常識だと。
何度話しても平行線のまま
桜田が風邪をひいてるみたいだから
行けと言う母。
桜田は、私は大丈夫ですから
と、言ってくる
俺が仕出かした事だけど
俺の気持ちは······
莉子に行くように言われ
このままだと
莉子が壊れると思い
取り敢えず、桜田の様子を見に行く
ブザーを鳴らすと
部屋着の桜田がマスクをして
出てきて
「来てくれたのですか?」
「桜田、あの日の事は
悪かったと思っている
だけど、もうやめてくれ
母を巻き込むのも止めて欲しい。」
と、言うと
「お母さんを巻き込むなんて
まあ、上がって下さい。」
「いや、上がらない。」
「そしたら、ここで大声だしますよ。」
「お前····」
「いいのですか?前の時も襲われたのに。」
と、言うと
桜田は、中に入っていく。
俺も中に入り
「頼む、もう母にかかわらないでくれ。」
と、頭をさげる
「嫌です。
私、西原さんのお母さん好きですし。
お母さんも私を可愛かって
くれますから。
西原さんも今度一緒に帰りましょう
そうしましょう
きっと、お母さんも
喜びますよ。」
と、マスクを取りニコニコしている
桜田。
どうみても病人には見えない。
俺は、気持ちが悪くなり
桜田の部屋を後にした。