破 恋
莉子◾◾
中国・上海市まで
約三時間。
昨夜は、本の数時間しか
眠る事はできなかった。
千里は、どうしただろうか?
自分の携帯は、リビングのテーブルの上
今は、みかに持たされた携帯
みかと美月となぜか専務の
番号が入っている。
今回の私の仕事は、専務管轄に
なるようだ。
派遣してくれた専務や
一人抜けて大変になる
みかや美月の為にも
きちんとやりあげたい。
社長や副社長の顔を潰すことの
ないように。
あちらの空港には
上海支社の方が
迎えにきてくれていると
専務より。
金曜日に
「泉さんの語学力なら
何ら問題ない。宜しく頼むな。
それと、ここからは
みかの彼氏としてだが
西原、桜田の事は俺に任せて
貰えるか?」
と、言われて
とんでもないと言おうとしたが
「泉さんの考えはわかっているが
みかの心配事は取り除きたいんだ。
それに少し目に余るからな」
と、言われて涙が溢れた。
そんな私をみかはそっと
抱き締めてくれた。
私は、みかに
「ありがとう。」
と、言いながら
専務に
「お手数おかけして申し訳ありません。」
と、頭を下げた。
私は、自分の仕事に集中しよう。
空港に着くと
雨桐(ユートン)さんと言う女性の方が
迎えに来てくれていた。
私達は、挨拶を交わして
支社へと向かった。
雨桐さんは、私と同じ歳で
とても綺麗な方だった。
支社では、受付の方と
日本法人に関わる部署の方を
中心に日本語を教える。
日本語を習いたい方にも。
発音や使い方
文字まで
支社の人達は、真面目に
取り組んでくれて
覚えもはやかった。
夜は、雨桐さんが
食事に案内してくれて
いろんな話をした。
土日は、お休みとなり
観光案内しますから
と、言って貰えて楽しみができた。