破 恋

舜二◾◾

隣で眠っているみかを
俺の中に抱え込み
瞳を閉じる。

俺は、こいつがいなくなったら
きっと息もできなくなるだろう。

俺の立場や経営一族であることを
気にしているみかだが
俺は手放す気持ちは
毛頭ないし
俺の選んだ女を
認めない身内は誰もいない
まあ、近い内にわからせるか······

朝の内に西原の病院へ向かう

西原の母親と話をする。
西原は、まだ意識が戻らずにいる
医師によれば麻酔はとうに切れていて
目を覚ましていないと
いけないらしいが。

傷の方は手術もうまく行き
今は感染の為に抗生物質の投与と
栄養分の補給をしている
との事だった。

だが、西原がいつ目覚めるかは
不明であると言われた。

西原の出張は取り消して
休職に切り替える事にした。

西原の母親は、憔悴仕切っていたが
まあ、致し方ないと思うが·····

俺の説明を聞いて
倒れそうになり支えた。

自分からでた言葉や
自分の行動が
どれだけ息子を傷つけたのか
はかりしれなかった。

その上、息子の愛した女性を
母親は、学校に休職届けをだし
目覚めない息子のそばにいる
そんなことしか
今の私にはできません
と、泣いていた。

意識が戻らないのは
戻りたくないからではないか
現実逃避では
と、俺は思っている。

『西原、回りは片付けてやった。
会社としても災いをもたらす者は
要らないからな。

だがな、
自分の事は自分でけじめをつけろ』
俺はベッドの上の西原に声を
かけて病室をでた。
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