破 恋
六章··それぞれの道
上海支社から戻って一年◾◾
右往左往したが
今日は····みかと専務の結婚式を
無事に向かえた。
専務のプロポーズを
何度も断るみかに
ヒヤヒヤしながら
見守っていたが·····
業を煮やした専務が
私から、みかの実家を聞き出し
ご挨拶に伺い
回りから固めてしまい
みかはご両親からかなり
叱られて今に至る。
専務は、
「バカが。
俺がお前を手離す筈がないだろう。
みか、数ヶ月の俺の労力の
見返りをもらうからな」
と、言われて
その週末は、寝室から
一歩も外には出して
貰えずに月曜日は
ボロボロでやってきて、みかを
私と美月は、呆れたり
同情したり・・・・
美月は、
「私、
まったく気づかなかったんですよ。
専務とみか先輩の事を
教えてくれないなんて
水くさい。」
と、嘆くから
「みかは、専務とは結婚できないと
思っていたから
専務の足かせにならないために
公にしなかったんだと思うよ。
だから、美月、許してあげてよ。」
「わかってますよ。
ちょっと寂しかっただけです。」
と苦笑いをする美月
みかは、結婚を期に
会社を辞める。
その為に、新しい社員が
入ってくる。
その話は、また後で。
花嫁の控え室へ
« コンコン »
「··············」
「みか先輩···綺麗
ねえ、莉子先輩。
えっ、莉子先輩?」
みかは、莉子の元へと来て
莉子をフワッと抱き締める
「莉子、私、幸せになるからね。
でも、ずっと仲良しでいてよ。」
と、言われて
コクン、コクンと頷きながら
「····すっ···ご··く··きれ···い···」
「莉子、泣きすぎだよ。」
と、言うみかに
「本当ですよ。莉子先輩。」
と、美月にまで言われて
「····ご···めん···」
泣き笑いする私に、二人は、
「「莉子・莉子先輩
不細工 」」
と、言うから
「ひっど~い。」
と、三人で笑った。
色んな事があった
だけど、みかがいて
美月がいてくれたから
乗りきれた。
それは、みかも同じだと思う。
「では、みか先輩。
式も披露宴も楽しみにしてますね。
ほら、莉子先輩行きますよ。」
と、美月と更衣室をでると
専務と行き違いになり
専務に頭を下げて移動する。
専務の幸せそうな顔をみて
あんな顔もできるのかと
驚きと共に嬉しくもあった。
式も披露宴も
厳かで、キラキラと輝いていた。
友人代表では
笑いあり涙ありの莉子の
スピーチに拍手が湧くが
最後感極まって泣く莉子に
みかと美月は、莉子の元へと行き
三人で泣き、そして笑った。
美人受付嬢・三人が集まり
男性陣はざわめきだっていた。
みかは、専務に呆れながら
連れ去られて
甘い一時を垣間見せていた。