破 恋
「綺麗な庭ですね。
ずっと、見ていたくなる」
「はい。私もそう思います。」
「この庭は、私の知り合いが
作ったものです。
あっ、デザインですね
でも現場に出向いては
現場で自分も作業するような人で
しかも女性なのです。」
と、言ってクスクス笑う
有馬さんに
知り合い?女性?
もしかして·····
「あ~、嫌、誤解しないでくださいね
溺愛する旦那さんのいる人ですし
私が良く行くbarのオーナの従兄が
その溺愛するの旦那さんで。
もう、嫁なのに
オーナとその旦那が毎回、毎回、
その嫁を巡ってバトルするのです。
その掛け合いが楽しくて····」
と、 また、笑う有馬さんに
「お店のお客さんにも
その、雰囲気をだすなんて
良いお店ですね。」
と、率直に伝えると
「そうなんですよ。
一緒にどうですか?」
と、言われて
このお話は、断るつもりなのに
その店には、行ってみたいは
あんまりだよな
と、考えていると
「おい、有馬、いい加減にしろよ」
と、言う声に·····
えっ····うそっ·····あり··え····ない·····
「あっ、もうきちゃった
もう少しだったのに。」
「何が、もう少しだ····」
「だって、先輩、この話は
そもそも、俺に来たのですよ。
あっと、正確には親父が頼んだのですが。」
「フン。知るか
もともと、莉子は俺のだ。」
「捨てて、クアラ・ルンプルに
行ったくせに。」
「····捨て···たり···なんか··するか····」
「今日は、譲りますが
先輩、決めるのは莉子さん
ですからね?
では、莉子さん、俺はこれで。
赤木さんには、俺から報告しますから
大丈夫ですよ
てか、舜二さんが動いていると
思いますが。」
と、頭を下げながら
私に近づき耳元で
「barには、一緒に行きましょうね」
と、言って舌をペロリと
出してその男性を見ながら
ヒラヒラを手をふって戻って行った。