破 恋
八章··再構築
あれから二年
「莉子、素敵よ
すっごく綺麗。」
「ありがとう、みか。
これも全て、みかと専務のおかげ。
本当にありがとう。」
と、言うと
みかは、涙を拭きながら
そっと私を抱き締めてくれた。
すると
「あっ·····」
と、言うみかに
「みか?大丈夫?」
と、焦る私に
「今、動いたの?」
「えっ、嘘。すごい。」
と、みかのお腹にさわると
グニャリと動くのがわかり
二人で笑いあっていると
コンコンとノックと共に
専務が長男の疾風(はやて)君を
抱いて入ってきた。
「舜二、今動いたの。」
と、みかが言うと
専務は、みかに近寄り
「良かったな。」
と、頬にキスをした。
みかは、二人目だけど
お腹の子の胎動がわからずに
心配していた。
だから、「式は無理しないで」
と、話したけど
「私が式にでなくてどうするの?」
ってきかなかった。
私だって、みかに来て欲しいけど
何かあったら、取り返しつかないから
心配したが····
専務が、
「俺がいるから。」
の一言で話しは終った。
本当にすごい人だと尊敬する。
みかに専務がキスをすると
疾風が
「僕も僕も」
と、言ってみかの鼻にキスをする。
そんな三人を見て
本当に幸せそうで良かった
と、思っていると
「幸せそうだな、とか思っている
場合じゃないのよ。
あなたも幸せになるのだから。」
と、みかに言われて
みんなで笑った。
すると、また、ノックの音
入ってきたのは、
私の愛する旦那様になる人
「·········。。。」
「ん?千里?」
「なに、見惚れてんの?
あなたのお嫁さんは、美しい
女性なんだよ。
忘れたの?」
と、言うみかに
「えっ」
と、赤面していると
専務から
「西原、泉さん
結婚おめでとう。」
と、言われて
二人で
「「ありがとう、ございます。」」
と、答えた。
千里は、私を見つめて
「本当に、この世の者ではないみたいだ。
綺麗すぎて、こわい。」
と、言った。
「ありがとう。
でも、怖がらないでね
今日からあなたの奥さんに
なるのだから。」
と、言うと
「本当に奇跡だと思っている。
俺の横に莉子が居てくれるなんて
あの時、破壊されて
莉子を失うなら生きて行く事も
できないと自分を消し去ろうとした。
だけど、生きている自分が
やはり、どうしても
莉子が居ないとダメだと
ならば、再構築すればよいと
莉子から許されて
側にいてくれるまで·····と。
でも、誰からも取られなくて
良かった、本当に奇跡だ。
莉子、愛してる
ずっと、この想いは変わらない。」
と、言う千里に
うん、うんと頷きながら
「私も···千里を···愛して···る····」
と、言うと
千里に涙を拭かれながら
軽くキスをされた。
その場所には、
私と千里しかいなくて
いつの間にか、みか達は部屋を出ていた。