破 恋

千里は、立ち会い出産を望んだ。

「さぁ、西原さん
次に波がきたら、思いっきりね。」
と、先生からの掛け声に
「うぅぅぅ···んんんっ·····はぁぁっ····」
「続けて、もうすぐだよ」
「がんばれ、りこっ」
「んぅぅぅぅ·····」
「オギャ、オギャ、」
「おめでとうございます。
ほら、ママとパパだよ。」
と、先生から産まれたばかりの
赤ちゃんは、莉子の胸へと置かれた。

「ちっちゃい、可愛い」
と、言う莉子に
うん、うん、と千里は答える
そんな千里の目には涙が溢れていた。
「莉子、ありがとう。お疲れさま。
ちびもお疲れさま。」
と、言う千里に
「千里もお疲れ様。」
と、言うと
千里は、莉子のおでこに自分のおでこを
つけて、愛してると囁いた。

千里と莉子の赤ちゃんは、
西原 光希(にしはら みつき)
光と希望に包まれて欲しいの
願いをこめて。

ちなみに、光希は、男の子です。

北海道の両親も
西原のお義母さんも駆けつけてくれた。
みかや美月も来てくれて
賑やかな1日となった。


本当に色んな事があった。

でもね、光希
ママは、パパと一緒にいれて
幸せなんだ。

光希も······
掛け替えのない女性が
現れたらパパみたいに
大事に大切にしてね。
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