あの虹を見に行こう



「はぁ?あんな遠いところに?」



歩夢の第一声はそれだった。

飛行機が嫌いな歩夢は、顔を思いっきりしかめた。

たしかにこの前の修学旅行の時は、行きも帰りもぐったりとして会話にも元気が無かったな、と思い出す。

だけど、肝心の旅行中はこの四人の中で一番はしゃいでいたことを私たちは知っている。


「歩夢」

楓が腕を絡めて、

「最初と最後だけ我慢すればいいじゃん、四人で行けば楽しいよ。ね、いい提案じゃない?」

そうおねだりすると「お、おう、そうかも……な」と、歩夢は簡単に落ちてしまった。そのでれでれな顔にはなんだかイラッとする。


「なんで?」


私は楓に尋ねた。

楓が今回みたいに突拍子もないことを言い出すことはこれまでも何度かあったけれど、その度に必ず何か理由がある。

そして、それを聞くと大体私は納得してしまうのだ。

楓は、うーん、と軽く唸ってから答えた。


「大人になっても集まる約束があるって、なんか良くない?」


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