あの虹を見に行こう
「じゃあ、またな」
歩夢と楓、和樹と私で別れる地点まで来て、歩夢は軽く手を上げて言った。
「また明日」
「じゃあね」
和樹に続いて私も別れの言葉を口にする。
「……楓?」
黙ったままの楓の瞳には、さっきのように涙が溜まっていた。
やっぱり、今日の楓はおかしい。
男子二人も、心なしかおろおろしている。
「大丈夫?……もしかして体調悪かった?」
私が近づくと、楓はふるふると首を横に振った。とうとうぽろりと涙が落ちて、私は余計に心配になる。
「なんでもない、さっきの思い出し泣きだからさ」