誘拐は激甘生活の始まりII
キスやハグは朝から晩まで当たり前のようにされ、最初の頃は杏菜は少し触れられただけで顔を赤くしていた。やっとキスに少しだけ慣れたと杏菜は思っている。

「んっ……んんっ……」

杏菜は何度もダミアンにキスをされている。これはいつものことなのだが、今日は少し違っていた。

「んっ!?」

杏菜の口が酸素を求めて開くと、ぬるりとしたものが入り込んでくる。それがダミアンの舌だとすぐにわかった。朝だというのに激しいキスをされ、杏菜はキスをし終えた後、荒い息を繰り返す。その様子を見てダミアンは嬉しそうに笑った。

「顔真っ赤。可愛い」

「か、からかわないでください!」

杏菜はフイとダミアンから顔を逸らす。何度もダミアンからキスはされているがあんな激しいキスは初めてで、心臓がいつも以上に音を立てている。

ふわりとダミアンに背後から抱き締められ、頭を撫でられる。杏菜は体の力を抜き、ダミアンに体を預けた。

その時、コンコンとノックをする音が聞こえてくる。ダミアンは「ちょっと行ってくる」と言い、杏菜を離した。
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