好きと掟の間に
「あ、あの、
昨日はお疲れ様でした。」
あたしは顔が赤くなっているのが
自分でも分かった。
「え、ああ。
君も出てたの?」
「はい、400mと800mに。」
「えー400は一緒じゃん!」
「あはは…あたし遅いんで
目立ちはしませんから。」
「そうなの?
でも君かわいいから
俺覚えられそうなものなのに。」
にっこりと笑いながら言った。
「え、ええええー!?
あたしかわいいなんて言われたこと
ほとんど無いですよ!」
.