好きと掟の間に
「東高の陸上部の人よ。」
その時、
あたしの腰にあった妹の手が、
ピクッと動いたのが分かった。
「東高の陸上部って…
恋愛禁止じゃなかったっけ?」
「知ってるの?!」
「友達にね、
東高の陸上部の人に告った子がいたの。
でも相手の人に、
うちの陸上部は恋愛禁止だから
ごめんけど無理、
って言われちゃったんだって。」
あたしはそれを聞いて、
幾分不安になってしまった。
「そっか…」
あたしはこの先
捨てられはしないだろうか
そんなことばかり考えてしまう。
まだ付き合い始めて1ヶ月半くらい。
この先どんなことが待っていても、
和広君はあたしを好きでいてくれるのかな…
じゃああたしは?
あたしは…
ずっと好きでいられる自信ある?
自転車を必死に漕ぐあたしの脳裏の傍らに、
考えても考えても
解決出来そうに無い何かがあった。
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