好きと掟の間に


Tシャツを物色していた時のことだった。


背後のランパンコーナーに人の気配を感じた。


「んー、無いなあ…。」


ん?今の声は…


「和広君…?」


「え?

あー、ミナちゃん!」


「偶然だねー。
ランパン探しに来たの?」

「ううん、スパッツ探しに来たんだけど…

何か店内の配置が変わってて、
どこあるか分かんなくてさあ。」


「えー…

あ、こっちじゃない?」

スパッツはランパンの反対側に並べてあった。



「お、マジ?
サンキュー、助かったぜ。」


和広君が屈託の無い笑顔を見せた。



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