好きと掟の間に
「てかあたし時間潰して来るね?
お邪魔しちゃ悪いし。」
「え、あ、ちょっと待って!
3人で一緒にいてくれない?」
和広君が慌てて妹を呼び止めた。
「え…どうして?」
あたしは顔を曇らせた。
「2人でいたら…
まずいだろ?やっぱり…
誰かに見られたら…」
少し困った顔をして和広君は言った。
そっか…そうよね…
「…えっと…
別にあたしはいる分は構わないけど…
いいの…?」
妹は少しオロオロした表情であたしをチラリと見た。
「…うん!
そうして欲しい!」
あたしはもう、
無理に笑うしかなかった。
この先も、
引退まで2人っきりで堂々といられないのかと思うと
どうしようもなく胸が痛んだ。
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