好きと掟の間に


何人かの友達からは
呼び捨てにされてるけど、


昔から呼び捨てもあまり好きじゃなかったあたし。


ましてや今まで「ミナちゃん」で通されてたんだから、

今さら
何て読んで欲しい?
って聞かれても
返答に困る。


「和広君に任せる!」

今言える精一杯のことだった。




「そう?

じゃあ…ミッチー?」


あたしは思わず吹き出してしまった。


でももっと笑ってたのは妹で…

「ミッチー?!

うちの姉ちゃんはミッチーなんてキャラじゃないですよー。」


そこまで笑わなくてもって言うくらい

腹を抱えて笑ってた。


「カナうるさい!!」


すると和広君がしょぼんとした顔をして


「…やっぱり変?」




きゅーん…




あなたのお心頂戴致しました…

男ってすごくかわいいんだな、こういう時。


でも
和広君はちゃんとあたしの全てを念頭に置いて

考えてくれたんだなって思えた。


「…いいよ、ミッチーで!」



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