好きと掟の間に
初めて
「はー、美味しかったねー!」
「うん。
あれ?カナちゃんは?」
「ラケット取りに行ってるよ。
もうすぐで戻って来ると思うけど…
あ、ほら。」
「お、ホントだ。
てかさ、2人共仲良いじゃん。
前に、すごく仲悪いって聞いてたから少し心配してたけど…
カナちゃんも良い子だし?」
かずちゃん…
「最近結構落ち着いて来てるんだ。
ガラッとじゃないけど…
カナの何かが変わってる気がするのよ。」
「成長してる証拠だよ、きっと。
カナちゃんも、ずっとこのままじゃいけないって気付き始めたんじゃないか?」
「だといいな。
後はお母さんとも仲良くしてくれればいいんだけど…」
「あ、お父さんとは仲良しなんだ?」
ミナの手が
ピクリと動いた。
「…」
「…ミッチー?」
「…な、仲良し…だよ。」
「そっか!
じゃあ家族が丸くなるまでもう少しだな!
頑張れよ!」
かずちゃんは気付かない。
あたしの笑顔が引きつっていたことに…
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