好きと掟の間に


「あ、カナちゃん、
ちょっと…」


かずちゃんが妹を手招きして呼んだ。


「え、何ですか?」


そう言って駆け寄った妹に

かずちゃんは何かをひそひそと告げた。





…何なの…?




あたしはどうしても
2人のその距離が気にくわなかった。



妹に…微妙な嫉妬を覚えた。





「えー?!嫌ですよー!」

妹が叫んでる…?



「ねーちゃーん、
先輩があたしにバスで帰れだってー。」


は?


「ど、どーして?かずちゃん…」


「え、えっと…それは…」


「ねーちゃんと一緒に歩きたいからだって。」

妹が呆れたように言う。



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