好きと掟の間に


「かずちゃん…

別に普通に言えばいいじゃない。」


「だから…
俺そんなこと簡単に言えるタイプじゃないんだって。

カナちゃんが言ってくれてなかったら

俺まだ口をもごもごさせてたかもしんないんだぜ?」


「なっさけないわねー。」


「悪かったな。」



かずちゃんが顔を赤らめてそっぽ向いた。



何か面白い…



あたしはいつからSになったんだ?




「でも何でいきなり?」


「…だって…


2人で歩けるのだって
いつになるか分からないんだし。


それに
夜の街をミッチーと歩くのがちょっとした夢だったわけで…」



「…ぷ、
あたしよりも少女趣味なんじゃない?」


「何でそんなこと言うんだよー!
まてー!」


「きゃー!」


あたし達は
笑いながら河川敷の道を駆け出した。



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