好きと掟の間に


「お前は…
俺のこと好きか?」


「え?」


「俺は…
初めて本気で恋したんだ、お前に。

今まで本気で人と付き合ったことなかったから…」


「…」


すると
カズちゃんの手が
あたしの前髪をかきあげた。

そして
そっと触れるように
カズちゃんは額にキスをし

耳にキスをし

頬にキスをし

口にキスをした。



あたしの体は突然のことで

全く動くことが出来なかった。


.
< 91 / 96 >

この作品をシェア

pagetop