年上の旦那様は若奥様にメロメロです!!
 落ち着いた雰囲気の店内と、そこに並べてあるお飾りの数々にシャルロッテの視線が向いているのが分かる。

 淡い色も濃い色の石もどんなものでも、きっと彼女を引き立てるだろう。

 そんなものが良いか、ケースの中を見て悩みつつも店の奥の個室に案内される。
 ここは常連でも一握りの顧客のみが通される部屋で、そこでゆっくり店のおすすめを見せてもらえる。

 部屋は落ち着いた雰囲気で、テーブルとソファが置かれたゆったりとした空間になっている。

 「本日は、ようこそお越しくださいました。どういったものをお探しでしょう?」

 店主の言葉に、俺は彼女を見つつ言った。

 「彼女は私の婚約者で、これから夜会や茶会などでお披露目するんだ。彼女に似合う髪飾りと首飾りに耳飾りもだな。そして、指輪も贈りたいんだ。石は大きくなくてもよいので彼女に似合いそうな綺麗な物を見せてくれないか?」

 そう、彼女は繊細な美しさの持ち主で瞳のエメラルドと綺麗な銀髪だけで輝くほどの美しさなのだ。

 飾り物は大仰な物より、細やかで美しい細工の方が彼女を引き立てるだろう。
 そんな思いから伝えると、店主も心得たように頷いて言った。

 「かしこまりました。確かにお嬢様はお美しいですから、そんなお嬢様を引き立てるものを選んでまいります。 少し席を外しますが、こちらでおくつろぎください」

 店主の声に答えるように、お茶と軽い菓子がテーブルに置かれた。
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