年上の旦那様は若奥様にメロメロです!!
嫌がらないだろうか、少しの緊張を伴いつつ彼女を見つめていると俺が言った耳飾りを手に取って眺め、耳の位置に持ちこちらを見る。
「ハルバート様、どうでしょう? 私もこの形が綺麗で可愛いと思ったのですが、似合いますか?」
こちらを見上げつつ問う姿は可愛いくって仕方ない。
思わず抱きしめたいところだが、ここはお店であるし彼女には紳士であらねばならない。
グッと腹に力を籠めると、柔らかさを意識して微笑み伝えた。
「えぇ、とてもよく似合っています。こちらは、買いましょう。ほかにも気に入ったものはありますか?」
ニッコリと問えば彼女は、おずおずと葉と蔦をモチーフにした首飾りを指し示す。
「この、変わった作りだけれど、エメラルドとアクアマリンが美しく感じて……」
確かに繊細で美しい細工に綺麗にはめられた石が絶妙であり、彼女の細い首に飾ると映えそうだった。
「あぁ、これもきっと似合うと思う。どれでも好きなだけ好きな物を選んでくれ」
しかし、そういった俺に彼女は少し申し訳なさそうに顔を俯かせて言う。
「いいえ。リリエラ様にもいくつか選んでもらっておりますから、そんなに必要ありません。ドレスだって沢山お作りくださっているのですもの。耳飾りと首飾りが一つずつで十分です」