年上の旦那様は若奥様にメロメロです!!
彼女は慎ましやかに、自分で気に入った2点だけで他は要らないという。
公爵である自分は商会も王宮勤めもしているので困ることは無いし、領地運営もしっかりしており生活には困らないどころか潤沢であると言うべき状態だ。
しかし、彼女は慎ましやかな性格であり華美を望んでいないことは日々の様子から明らかなので無理強いも出来ない。
しかし、着飾った姿は可愛くも美しく、見ていて飽きることがないハルバートとしてはいくつ購入しても問題にはならないのだ。
しかし、彼女が望まないのでは意味がない。
だからハルバートはここではぐっと我慢をしたのだった。
「では、今日はこれくらいにして。他のお店も見て回りましょうか?」
そう声をかけるとシャルロッテはほっとした顔を見せたのだった。
そうした後で、衣類のお店や花を売る店などを見たあとで休むためにカフェに寄る。
そこのテラス席で外を眺めていると、可愛らしい子犬を連れた親子が通っていく様子をシャルロッテが優しい眼差しで見つめているのに気づいた。
「シャルロッテは犬が好きなのかい?」
その様子を見てハルバートが尋ねると、シャルロッテは微笑んで答えた。
「はい。我が家では放牧で羊もいたので、牧羊犬を飼っていたのです。その子も両親の事故の数日後に亡くなりました」
話しつつも、寂しげな表情を浮かべるシャルロッテにハルバートはなんと声をかけるべきか悩んだ。