年上の旦那様は若奥様にメロメロです!!
最近は仲良くなってきていたし、ハルバート様がお嫌でなければと結婚に前向きな気持ちも出てきていた。
ハルバート様も早いというだけで、嫌だとは思っていない様子に内心でホッとしている。
「父上、喪が明けきらないうちから準備をするのは早すぎるのではないですか?」
ハルバート様からの問いかけに、フィリップ様は少し表情を曇らせつつ話し始めた。
どうやら、辺境伯を継いだ叔父様には領地はのこされたものの、両親が行っていた事業であるアール商会の仕事は、父が任せていた商会の副会長が会長になり、辺境伯家の手を離れて独立したとのこと。
父は、叔父のお金の使い方を分かっていたので、商会を好きにさせないためにしっかり副会長と話し合っていた。
父にもしもが会った時は副会長が会長となり、辺境伯家からは離れて独立した商会として仕事をしていくようにと、きちんと証書でしたためられていた。
遺言としてしっかり効力があり、商会は無事に独立したとのことだ。
しかし、お金が入ると考えていた叔父の目論見が外れて、現在辺境伯家というか叔父家族の生活は大変らしい。
このままだと、私に渡る遺産を狙って息子の嫁に据えるような行動を取りかねないとのことで、早めに喪中だが結婚証明書を教会に出すべきだとの話になってしまった。
お金にだらしなかった叔父は、やはり世間が見えていないのか見込みが甘く、自分で頑張ろうとしないのは相変わらずの様だった。