年上の旦那様は若奥様にメロメロです!!
憂いを無くして、新たな門出へ
私とハルバート様が婚姻証を出したことは、高位貴族の間には瞬く間に広がった。
これはフィリップ様が意図的に懇意にしている仲の良い貴族の方々にお話ししたのだという。
辺境伯になった叔父への牽制を考えて、そういった形になった。
ドレスは紺などの濃い色になるが、出席する夜会を限定して三回ほどハルバート様と結婚の挨拶に回った。
その際にお披露目は私の両親の喪が明けてからと話せば、シャロン家が懇意にしている貴族の皆さんは理解を示してくれた。
貴族社会で上手くやるには情報を上手く流すのは必要なことである。
そんな生活に慣れている高位貴族の方々は叔父の現状をさりげなく把握されているらしく、私とハルバート様の結婚に関してはおおむね受け入れられている。
そんなさりげない、根回しが済んだ頃にシャロン家に叔父が姿を現した。
「シャロン公爵様、お久しぶりでございます。アルグバーン辺境伯、ジェファードでございます。
こちらに、兄の忘れ形見がお世話になっております。屋敷も落ち着きましたので、迎えに来たのですが」
案内された客間で話し出したジェファード叔父様に、上座にいるフィリップ様が言った。
「あぁ、まだ披露目は先だから報告が遅くなった。うちのハルバートとシャルロッテは婚姻をすでに済ませた夫婦で、シャルロッテは公爵夫人だよ」
事実をスパンと口にしたフィリップ様は、とてもにこやかで、楽しそうでした。