年上の旦那様は若奥様にメロメロです!!
「経費資料の改ざんは、王国領地法違反だな。 元の資料は処分されただろうから、少し大変かもしれぬがシャルロッテの記憶と資料でなんとか証拠をそろえることもできよう」
フィリップ様がハッキリと言葉にしたことで叔父様の顔色はとうとう、青を通り越して白くなった。
「だって、余ったものなら領主が好きに使ったっていいだろう? やっと俺の物になったんだから……」
きっとこの人は領主たるには相応しくないのだろう。
自分のことしか考えていない人が、人の上に立ち、人のために行動できるわけがないのだから。
「フィリップ様、元の資料でしたらきっと私が持っています。 父と万が一の時のためにと私が原本控えを一部持つことにしており、こちらに来るときに二年分を持ち出してきております」
私の言葉に、フィリップ様もハルバート様も頷いてそして叔父様に言った。
「どうやら、そなたには辺境伯の責務は荷が重かろう。 ハルバートとシャルロッテの子どもがそちらの領地に行けるまでは、我が家で代行しよう。 シャルロッテの大事な故郷だからね」
こうして、叔父様の企みも悪行も一気に解決へと向かい私にとっての憂いが片付いたのだった。