君だけが私の星だから
(と、とりあえず。挨拶…するか)
「陽佑くん!!!」
(や、やばい…声でかすぎた…!!!)
不思議そうな顔をしてこちらを見る彼。
「え、っと… おはよう!!!!」
あ…これやらかした…
(絶対頭のおかしいやつと思われてる!!)
(間違ってはないけど!!!)
「お、おはよう…?笑」
ちょっと眉をひそめて、頬には少し微笑を浮かべてる。
その声は優しくて、爽やかで。
ちょうどお日様に照らされた彼の顔が、どうしてこんなにも素敵に見えるんだろう?
「おはよう」のたった一言に、なんでこんなにも心が揺さぶられるんだろう?
あの時は気付けなかったけど…
この時から私は陽佑くんの事を…
「星那…?だよね?」
え…話しかけられてる…?よかった、とりあえず詰んでない!!
「あ、そう!そうだよ!1年の時は2組だった!」
「あー…!美莉亜の友達でしょ?」
(ん…?なんでここで美莉亜が出てくるの?)
有咲ちゃんこと八重 美莉亜 ( やえ みりあ ) ちゃんは、小学校が一緒で、家の方面も一緒だから2人で帰ったりもして…
親友!ズッ友!ってわけじゃないけど、ある程度仲良いと思う。美白で目がくりくりで、美人…ってよりは可愛いが似合う感じの子。
「え…あぁ…まあ、わりと?」
「そっか!」
そう言ってわらう彼。
え…なんでこんなに心臓がうるさいの?
美莉亜と仲良いか聞かれただけじゃん。
だけどあの笑顔を見ると、なんでか心がぎゅーって痛くなる。締め付けられるみたいな。
何?この現象
今日の私、なんか変かも…
……新学期だからだよね?