トップリーガーの恋②~おまえの未来にトライする~
日勤のメンバーに申し送りし、病院を後にしようと院内を歩いていると、
「澪!澪だろ?」と声を掛けられた。

「??」振り返ると知らない中年男性。入院患者の様だ。

「俺だよ俺!」

「どちら様ですか?」澪には全く覚えがない。

「冷たいなぁ。昔、美奈子と付き合ってたの覚えてないか?」

そう言われ思い出す。
「ああ。あの時の…。」声のトーンが下がる。そう、澪が中学生位に澪の母親と付き合っていた男だ。なめ回す様に見られた不愉快な思い出しかない。

「いやぁ~昨日、病院内でお前を見て似てるなとは思ったけど、綺麗になってるし確証がなかったけど、澪って呼ばれてるのを聞いて間違いないと思った。2~3日検査入院って言われた時には、面倒だと思ったけどラッキーだった」

「何か御用ですか?」

「冷たいなぁ。知らない仲じゃないんだから。美奈子は元気か?」

「知りません。失礼します」と足早に男の前を去るが追いかけてくる。


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