トップリーガーの恋②~おまえの未来にトライする~
ナースステーションに戻ると、
「あら、本城さんどうしたの?」と師長から声が掛かる。

「ちょっと目眩がして」

「廊下の端で蹲っているのを見つけて連れて来ました」

「とにかく横になりなさい。先生に診てもらう?」

「取りあえずは、様子見ます。少しの間、眠らせてもらっていいですか?」と返事を待つことなく眠った澪。

今までには考えられない澪の様子にみんな心配する。勤務中に体調が悪くなっても、表情を変えることなく仕事をする澪を見てきたので、ただ事ではない。

眠ってる澪は、顔が青白くメイクで隠しているが目の下に隈が出来ている。そして、少し痩せた気がする。

「山口さん、本城さんの体調不良はいつ頃からかわかる?」と師長に聞かれた理桜は考える。

「数日前から、少し顔色が悪い気はしてたんですが…。」

「ご主人は、今は?」

「ここ数ヶ月間、ずっと不在で帰っても月1回位ですね」

「きっと、連絡する事を本城さんが嫌がるわよね?」師長も、澪と理桜の結婚相手の状況を理解してくれている。

「そうですね…。あっ!」



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