君は愛しのバニーちゃん
※※※
「……瑛斗先生。さっきは、寝ちゃってごめんなさい」
「いいよいいよ。遠出して、疲れちゃったもんね」
(俺こそ……っ。ヘタレでごめんねっ! 次こそは……っ絶対にキメるから……っ!!!)
二人並んで住宅街を歩く道すがら、チラリと隣りを見れば、ほんのりと赤く頬を染めた美兎ちゃんが小さく息を吐いた。
「また、『パンパン』見に行きたいなぁ……」
(……えっ!!? パ……ッ、パパパッ、パンパンしたい……ッ!!?)
その素敵な脳内変換に、思わず昇天しかけて足元から崩れ落ちそうになる。
(……っい、いや……。落ちつけ俺! 今のは、そーゆー意味じゃないだろっ!)
「……っ美兎ちゃん。また今度、パンパンし……っ、見に行こうね」
「……本当っ!?」
「うん、俺でよければ。また今度……一緒に行(イ)こうね」
「わぁ~いっ! 楽しみっ!」
無邪気な笑顔を見せながら、それはそれは嬉しそうに喜ぶ美兎ちゃん。
(っ、……なんてスケベなんだっ! そんな悪い子には、お仕置きしちゃうゾ……ッ♡)
ピンク一色な妄想に脳内で酔いしれると、それはそれはとんでもなくスケベな笑顔を浮かべて鼻の下を伸ばす。
「今度は、うさぎちゃんも抱っこしようねっ?」
「えっ……?」
「瑛斗先生、好きなんでしょ?」
コテンと小首を傾げて微笑む美兎ちゃんの姿が可愛すぎて、その衝撃にフラリとよろめくと危うく再び昇天しかける。
(ウグッ……! ハァハァハァ……。お、俺の……可愛い、うさぎちゃん……っ!!!)
なんとか必死に堪えた俺は、息も絶え絶えに美兎ちゃんに向かって勢いよく口を開いた。
「……すっ、すすす、好きっ!!! 大好きっ!!! この世で一番、愛してるっ!!!」
(な、なんで……俺が好きなこと、知ってんの!!? ……そっ、そそそそ、それよりっ!! 抱っこしていいって……マジかっ!!!!?)
白塗りの可愛らしい家の前でピタリと足を止めると、期待に膨らむ瞳で美兎ちゃんを見つめる。
最寄り駅から徒歩十分という距離は思っていた以上に短く、どうやら、いつの間にか美兎ちゃんの家へと着いてしまったらしい。
(抱っこって……!! それって、今すぐしちゃダメ!!!?)
「そんなに好きなんだね。……フワフワしてて、可愛いもんねっ」
クスリと微笑む美兎ちゃんの姿を見て、血走った瞳でロックオンした俺。荒い鼻息とともにコクリと小さく喉を鳴らすと、美兎ちゃんに向かってにじりと歩み寄る。
(……っう、うん。フワフワしてて……い、今すぐにでも食べちゃいたいぐらいに……っ、とんでもなく可愛いっっ!!!)
「今日は、モルモットしか抱っこできなかったから……残念だったね」
(じゃあ、今からでも……っ!!!!)
「今度行った時は、ミトもうさぎちゃん抱っこしたいなぁ~」
(今度と言わずに、今すぐにでも……っ!!!! …………って。あ、あれ……?)
チラリと美兎ちゃんの手元に視線を移すと、そこには今日撮ったばかりのモフモフの毛玉が映し出された携帯がある。それを見て、幸せそうにニコニコと微笑んでいる美兎ちゃん。
(あっ……。え……? もしかして、美兎ちゃんの言ってる『うさぎちゃん』て……。あの、ピョンピョンと跳ねる、毛玉の方……?)
とんでもない勘違いにガックリと項垂れると、そのあまりのショックさから静かに一筋の涙を流す。ポタリと地面へと落ちて吸収された俺の涙は、そうして人知れず儚く消えてゆくのだ。
それはまさに、無残に散っていった今の俺の姿のように——。
(ううぅっ。そりゃないぜ……っ)
一呼吸置いて気を取り直すと、ゆっくりと顔を上げて前を見る。するとそこには、相変わらず携帯片手に幸せそうに微笑んでいる美兎ちゃんがいて……。この笑顔が見られるなら、俺の受けた心の傷などどうでもいいことのように思えてくる。
美兎ちゃんさえ笑顔でいてくれるなら、俺はどうなろうともそんなことどうだっていいのだ。だって現に——君の笑顔を見ているだけで、俺はこんなにも幸せな気持ちになれるんだから。
「……瑛斗先生。さっきは、寝ちゃってごめんなさい」
「いいよいいよ。遠出して、疲れちゃったもんね」
(俺こそ……っ。ヘタレでごめんねっ! 次こそは……っ絶対にキメるから……っ!!!)
二人並んで住宅街を歩く道すがら、チラリと隣りを見れば、ほんのりと赤く頬を染めた美兎ちゃんが小さく息を吐いた。
「また、『パンパン』見に行きたいなぁ……」
(……えっ!!? パ……ッ、パパパッ、パンパンしたい……ッ!!?)
その素敵な脳内変換に、思わず昇天しかけて足元から崩れ落ちそうになる。
(……っい、いや……。落ちつけ俺! 今のは、そーゆー意味じゃないだろっ!)
「……っ美兎ちゃん。また今度、パンパンし……っ、見に行こうね」
「……本当っ!?」
「うん、俺でよければ。また今度……一緒に行(イ)こうね」
「わぁ~いっ! 楽しみっ!」
無邪気な笑顔を見せながら、それはそれは嬉しそうに喜ぶ美兎ちゃん。
(っ、……なんてスケベなんだっ! そんな悪い子には、お仕置きしちゃうゾ……ッ♡)
ピンク一色な妄想に脳内で酔いしれると、それはそれはとんでもなくスケベな笑顔を浮かべて鼻の下を伸ばす。
「今度は、うさぎちゃんも抱っこしようねっ?」
「えっ……?」
「瑛斗先生、好きなんでしょ?」
コテンと小首を傾げて微笑む美兎ちゃんの姿が可愛すぎて、その衝撃にフラリとよろめくと危うく再び昇天しかける。
(ウグッ……! ハァハァハァ……。お、俺の……可愛い、うさぎちゃん……っ!!!)
なんとか必死に堪えた俺は、息も絶え絶えに美兎ちゃんに向かって勢いよく口を開いた。
「……すっ、すすす、好きっ!!! 大好きっ!!! この世で一番、愛してるっ!!!」
(な、なんで……俺が好きなこと、知ってんの!!? ……そっ、そそそそ、それよりっ!! 抱っこしていいって……マジかっ!!!!?)
白塗りの可愛らしい家の前でピタリと足を止めると、期待に膨らむ瞳で美兎ちゃんを見つめる。
最寄り駅から徒歩十分という距離は思っていた以上に短く、どうやら、いつの間にか美兎ちゃんの家へと着いてしまったらしい。
(抱っこって……!! それって、今すぐしちゃダメ!!!?)
「そんなに好きなんだね。……フワフワしてて、可愛いもんねっ」
クスリと微笑む美兎ちゃんの姿を見て、血走った瞳でロックオンした俺。荒い鼻息とともにコクリと小さく喉を鳴らすと、美兎ちゃんに向かってにじりと歩み寄る。
(……っう、うん。フワフワしてて……い、今すぐにでも食べちゃいたいぐらいに……っ、とんでもなく可愛いっっ!!!)
「今日は、モルモットしか抱っこできなかったから……残念だったね」
(じゃあ、今からでも……っ!!!!)
「今度行った時は、ミトもうさぎちゃん抱っこしたいなぁ~」
(今度と言わずに、今すぐにでも……っ!!!! …………って。あ、あれ……?)
チラリと美兎ちゃんの手元に視線を移すと、そこには今日撮ったばかりのモフモフの毛玉が映し出された携帯がある。それを見て、幸せそうにニコニコと微笑んでいる美兎ちゃん。
(あっ……。え……? もしかして、美兎ちゃんの言ってる『うさぎちゃん』て……。あの、ピョンピョンと跳ねる、毛玉の方……?)
とんでもない勘違いにガックリと項垂れると、そのあまりのショックさから静かに一筋の涙を流す。ポタリと地面へと落ちて吸収された俺の涙は、そうして人知れず儚く消えてゆくのだ。
それはまさに、無残に散っていった今の俺の姿のように——。
(ううぅっ。そりゃないぜ……っ)
一呼吸置いて気を取り直すと、ゆっくりと顔を上げて前を見る。するとそこには、相変わらず携帯片手に幸せそうに微笑んでいる美兎ちゃんがいて……。この笑顔が見られるなら、俺の受けた心の傷などどうでもいいことのように思えてくる。
美兎ちゃんさえ笑顔でいてくれるなら、俺はどうなろうともそんなことどうだっていいのだ。だって現に——君の笑顔を見ているだけで、俺はこんなにも幸せな気持ちになれるんだから。