ハロウィンという特別な日に
「わかった!・・・・・」

タクトに言われるままに目をつむり、雅ちゃんは強く、つよく念じました。

“天使になれますように”

“可愛い天使になれますように”

と、何度も心の中で呟きました。

タクトは、パチンと指を鳴らしました。

「ゆっくり目を開けてみろ」

「う、うん・・・わぁ~、天使になってる!」

その場で、クルクルと回ってみせる雅ちゃん。

なんということでしょう。
背中には大きな白い翼が生えているではありませんか。

雅ちゃんは天使になったのです。

「スゴい!本当にスゴいね、タクトお兄ちゃん!」

「オレ様にかかれば、こんなのは朝飯前だ」

フンッと威張っているタクト。
しかし、実際はタクトは雅ちゃんが喜んでいるのを見て、今にも顔がニヤケそうなのを必死に隠しているのです。

「タクトお兄ちゃん、これで一緒に飛べる?」

「ん?あぁ、飛べるぞ。なんなら、今から飛んでみるか?」
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