ハロウィンという特別な日に
人間は生まれてきた以上、死は必ずやってくるもの。それが早いか遅いかの違いだけ。
死なない人間なんて、この世にはいないのです。

死とは縁遠いタクトにとって、死ぬということがどんなものか、はっきりとはわかりません。

だけど、雅ちゃんの死があまりにも早いということだけはわかります。

「タクトお兄ちゃん、泣かないで」

「え?」

雅ちゃんの一言で、自分が涙を流していることに気付きました。

「雅はね、大丈夫! 死んだら天使さんになれるってママも言ってた。だから怖くない!」

「お前は、オレ様よりも何倍も強いな」

心に留めてはずだった本音が漏れてしまいました。
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