没落姫の溺愛婚~双子の寵姫も楽じゃない!?~
寵姫になって?
「ねぇ、彩希。
私と彬親、どちらが好み……?」
「…………え?」
持ち前の美しい黒の長い髪を風に靡かせて、同じ色の澄んだ瞳を柔らかく細めた。
形のよい薄い唇は笑みに弧を描き、少しだけ期待を含んでいるようにも見える。
どこか中性的で、女が好みそうな綺麗な面立ちの彼は彩希よりも二歳年上の十八歳。
少々訳ありな生まれ育ちの双子の片割れ、芳哉だ。
「好み、ですか……?」
「うん。
ずっと、聞いてみたかったんだよ。
彩希はどちらが好みかなー、って」
にこにこと芳哉は人懐こい笑みを浮かべたまま、少し離れた場所にいた、双子の片割れを指差した。
声が聞こえたのか、庭側の簀子の柱を背凭れに座っていた彼が、芳哉とそっくりな顔をちらりと向ける。
どうやら話の内容までは聞こえなかったのか、しばらく目を瞬いて、こてん、と首を傾げた。
私と彬親、どちらが好み……?」
「…………え?」
持ち前の美しい黒の長い髪を風に靡かせて、同じ色の澄んだ瞳を柔らかく細めた。
形のよい薄い唇は笑みに弧を描き、少しだけ期待を含んでいるようにも見える。
どこか中性的で、女が好みそうな綺麗な面立ちの彼は彩希よりも二歳年上の十八歳。
少々訳ありな生まれ育ちの双子の片割れ、芳哉だ。
「好み、ですか……?」
「うん。
ずっと、聞いてみたかったんだよ。
彩希はどちらが好みかなー、って」
にこにこと芳哉は人懐こい笑みを浮かべたまま、少し離れた場所にいた、双子の片割れを指差した。
声が聞こえたのか、庭側の簀子の柱を背凭れに座っていた彼が、芳哉とそっくりな顔をちらりと向ける。
どうやら話の内容までは聞こえなかったのか、しばらく目を瞬いて、こてん、と首を傾げた。