没落姫の溺愛婚~双子の寵姫も楽じゃない!?~
「どちらがと、聞かれましても……」
突然元婚約者に捨てられたあと二人に拾われ、恩返しにと世話役の女房をさせてもらっている彩希が、平然と答えていい質問なのか。
彩希は困惑するように眉を寄せ、そっと芳哉から視線を逸らした。
二人は、この国で皇位継承権を三番目に持つ、尊き双子の宮様。
現在の東宮様は二人の同母兄であり、とても高い身分がある。
双子と言えば権力争いの火種になるとかで嫌われるんだけど、二人はいつでもどこに行くにも一緒。
離れて過ごしてるのを見たことないくらいに、本当に大の仲良しさん。
特に偉大な権力なんかには興味はないらしく、冠や髪を結い上げるのも嫌いみたいで、たまに冠がその辺に放り投げられて、ころりと部屋に転がってたりする。
そして、ほとんど宮中には行かれないみたい。
普段は邸でごろごろしながら書物や絵巻物を広げ、音楽を奏でたりして過ごすのが好きみたい。
そんな二人のどちらかを選べだなんて、そんなの難しいし、申し訳ない。
だって、二人共にすごく素敵な方々だから、簡単に選びたくないんだ。
突然元婚約者に捨てられたあと二人に拾われ、恩返しにと世話役の女房をさせてもらっている彩希が、平然と答えていい質問なのか。
彩希は困惑するように眉を寄せ、そっと芳哉から視線を逸らした。
二人は、この国で皇位継承権を三番目に持つ、尊き双子の宮様。
現在の東宮様は二人の同母兄であり、とても高い身分がある。
双子と言えば権力争いの火種になるとかで嫌われるんだけど、二人はいつでもどこに行くにも一緒。
離れて過ごしてるのを見たことないくらいに、本当に大の仲良しさん。
特に偉大な権力なんかには興味はないらしく、冠や髪を結い上げるのも嫌いみたいで、たまに冠がその辺に放り投げられて、ころりと部屋に転がってたりする。
そして、ほとんど宮中には行かれないみたい。
普段は邸でごろごろしながら書物や絵巻物を広げ、音楽を奏でたりして過ごすのが好きみたい。
そんな二人のどちらかを選べだなんて、そんなの難しいし、申し訳ない。
だって、二人共にすごく素敵な方々だから、簡単に選びたくないんだ。