没落姫の溺愛婚~双子の寵姫も楽じゃない!?~
(え……? 
さっきから、一体何なの……?)

 先ほどから、やけに彩希の好みとか元恋人なんかを、すごく気にしているみたいだけど。

 二人が一体何を確かめたいのか、よくわからなくて。

 少しだけ怖くなってしまって、彩希は思わず一歩身を引いていた。

「大丈夫だよ、彩希。
だから、怖がらないで。
私達はただ、彩希ことをもっと知りたいだけだから」

 けれど、怯えた彩希に、芳哉が優しく囁いた。
 そして、二人はそのまま彩希から逃げられないように、しっかりと腕を掴む。

 そして、体をぴったりと密着させるように合わせてきた。

「あ、あの……っ、芳哉様、彬親様!」

「そんなに警戒するなって。
何も悪いことはしねぇから。
だから安心しろ、彩希」

 すりすりと首筋に顔を甘えるように擦り寄せて、芳哉が柔らかな声で囁く。

 一方で、彬親は彩希の長く綺麗な髪を手に掬い上げ、優しい口づけを落とした。
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