ひまわりの中で永遠を……
「お願い!どうしても行きたいんだ!」

マクシムが真剣な目でひなたを見つめる。ひなたは「しょうがないなぁ」と笑う。マクシムのお願いにはいつも負けてしまうのだ。

「やった!車の運転は僕がするね」

マクシムは嬉しそうに笑い、ようやくひなたを離す。ひなたはマクシムの横顔を見て微笑んだ。



お昼ご飯を食べた後、ひなたとマクシムは出かける支度をしてすぐに家を出た。外にデートに行くのは久しぶりで、ひなたはどこに行くんだろうとわくわくする。

車を走らせること一時間弱。ひなたが連れて来られたのはひまわり畑だった。黄色の花がまるで太陽のようにいくつも咲き誇っている。

「ここって確か、前にテレビで取り上げられていたところだよね?綺麗〜!」

ひなたは笑い、マクシムの手を取ってひまわり畑の中を進んでいく。ひなたは花の中で一番ひまわりが好きだ。夏の強い日差しに負けることなく美しい花を咲かせるひまわりを見ていると、自分を頑張れる気がするからだ。
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