目が覚めた、その先に
 プロローグ


目が覚めた。白い光が私を包んでいる。
するとその光は剣のように私の目を突き刺した。
「眩しい…」そう呟くと部屋には白い光に包まれた男の人がいた。
同い年だろうか…。顔は光に隠れよく見えない。でも、とにかく美しかった。
色白で髪は色素が薄く茶色い。日本人には見えない。
ついに幻でも見たか?
と、私は目をこすりもう一度顔をあげる。

そこには男の姿はなく、男が持っていたであろう
手帳が落ちていた。
私はそれを拾い上げ中身を見た
『生徒手帳』だ。
手帳には、 『風見 轟(ごう)』
と、彼の名前が書いていた。
だが、学校の名前、住所などが黒いペンで塗りつぶされていた。

「え、きっとこれって返さないといけないよね」
と呟いた。
今日は月曜日。来週の月曜日私はアメリカに引っ越さなくてはならない。
この一週間で彼を探そう。
 彼じゃなければ私は警察に届けただろう。
でもこれは自分で返したい。そう思った。
どこか懐かしく、優しい気持ちに包まれたからだ。


ー私は君を探す7日間の旅に出る。ー
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