夜の隙間のガードレール
わかって、わかって、何も知らないくせに。
ひとつも知ろうとしないくせに。
私と名前と笑顔と成績と、表の一部しか知らないくせに。
黙ってろよ。
口を噤めよ。
私を、勝手に設定するなよ。
「私なんて」
卑下。とか、そんなものじゃない。
見放されて無関心。それは嫌。だから振る舞っているだけ。
私が頑張ればいいだけ。
頑張れば、装飾品として鼻が高いだけ。
…頑張っても。
変わらなかった、ただそれだけのことで。
別の苦しい温かい感情みたいなものが、甘ったるい優しさが、あの日私を認めた小さな棘が。
劣等を累乗していくから、ただそれだけのことで。
「はあーーー、もう」
だめ、全然。
いなくなってくれない。
反抗期じゃないの。
優等生でいることは確かに苦痛。代償もそれなり。
だけど違うの。今日は違う。
今日学校に行かなかったのは…。
「なくなってよ」
そろそろ消えて。って願っても消えない。
それならもう認めて。
なんて軽く決断できない。
道を外して落ちてもいいから、だからお願い。私のなかから1・2・3の拍子でフェードアウト。
で、折衷案。
お手上げ。勘弁してよ。
足を止めた。