その瞳に映るのは



あの日。

駐輪場で三島に声をかけた日。



何も考えずに『教室に行こう』と誘った。

でも振り返った俺は、三島の態度に愕然とした。



俯向いて『成瀬くんは先に行って』と俺を拒絶する姿。



俺を拒絶しないでくれーーー

衝動的に腕を掴んだ俺に焦った三島が可愛いかったけど、再び顔を隠して拒絶された。



あれはかなりショックだったな。



誠がタイミング良く来て問いかけたら
『嫌じゃない』と言ってくれた。

だから悪ノリだと分かってて誠と同じように肩を抱いて話かけた。



でも腕でなく肩を抱いたその瞬間
このまま抱きしめようか、と欲が出た。



それからはもうダメだった。



誠じゃないが、俺は三島にもっと触れたくて仕方なかった。

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