その瞳に映るのは
「あー、そうかもな。」
宮野くんに声をかけられた渡辺くんが後ろを振り返って正直に答えた。
「雅人はわかるけど、和哉は絶対に話しかけそうだけどな?」
とある日の自習時間に話してたから、渡辺くんの隣りに座る私の耳にもしっかりと聞こえた彼等の会話。
「前に一回声かけたけどな。でも俺嫌われてるみたいでさ、成瀬が話しかけんなオーラ全開なんだよ」
渡辺くんは軽く笑いながら宮野くんに話した。
「マジで?雅人のそれって女限定じゃなかったっけ?お前、男なら誰とでも普通に話すだろ?なんで和哉限定?」
確かに…成瀬くんが男子相手にそんなことするのはおかしい。
何気に聞こえた会話に思わず聞き耳を立てた。
「別に何もねぇよ。渡辺の横に立ちたくないだけだ」
声しか聞こえてなかったけど、渡辺くんに怒るとか嫌がる感じじゃなくて、普通に話す成瀬くんの声。
その声を聞いた宮野くんがいきなり笑いだした。