その瞳に映るのは
三島の着てたメイド服は別の常連さんが昼間に持ってきたらしい。
以前、市のイベントで使ったようで三島に似合いそうだからと倉庫行きの服を一着貰ってきたと言う。
普段は軽装の私服に店のエプロンを着けただけの格好だが、今日はせっかくだからと悪ノリした親と常連さんに半強制的に着せられたらしい。
商店街には常連さんも多く、昼間メイド服を持ってきた人の店もあるようでその人に着用した姿を見せるついでに買出しに行かされたようだ。
俺が三島に会った時はもう用も済ませて店に戻る途中だったらしい。
今日だけの特別な格好。
それを見られた偶然に、母親の言う事をきいて良かったと親に感謝した。
流石に三島の父親も、
『似合うけど今日だけだ。あんな格好はもうさせない。』
と、俺が文句を言う前に宣言してくれたから安心して三島の手作りチーズケーキを頬張った。