その瞳に映るのは


店はまだ閉店時間では無いが三島は一足先に帰宅する時間になった。



まだこのまま閉店時間まで話し込みたい気分だが、常連のじいさんに三島を家まで送っていけと任命されたら快く受けるしかないだろう。



店を出る時にも「またいつでも来いよ」と声をかけられたから明日も来ようかと本気で考えた。



というのも、三島の家は店から徒歩15分という近さだった。

流石に店の前に自転車を置いておけないので、三島はいつも一度家に帰ってから着替えて徒歩で店まで通っているようだ。



三島を送るのはいいが一緒にいられる時間が少ない……。

項垂れかけた気持ちだが、横を歩く三島の笑顔を見るだけでそんな気持ちもすぐ忘れる。



毎日こうして一緒にいたい。



そう思った時にはもう三島の家に着いていた。

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